コンサルティングファームへの就職を希望する、選抜された9名の大学3年生向けに問題解決スキル習得プログラムを開始して、1ヶ月が経とうとしています。本プログラムはあくまでコンサルタントとしての実践的なスキルを習得することを目的としているため、コンサルティングファームで行われる講習の内容をしっかりと学習することに加え、4ヶ月のプログラムの後半の2ヶ月は、実際に私がCEOを務める事業会社に対する戦略提言を行うプロジェクトを立ち上げる予定です。そのため、プログラム開始当初から、コンサルティングファームへの就職面接で行われるケース面談の練習のような、小手先のノウハウは教えません、と宣言しておりました。
実際に講義を開始し、問題解決スキルの根底にある、思考の技術、すなわち論理的思考、MECE、仮設思考を学んでいく上では、実のところロジックツリー、MECE、ピラミッドストラクチャ、イシューアナリシスなどを徹底的に習得しなければならず、改めて考えるとケース面談で与えられる「お題」はその習得のための演習に役に立つことを今更ながら実感しました。そのようなことから、講義の最後に「ケースっぽい」宿題を出して、次回の講義で解説するように軌道修正をしました。
9名の学生の皆さんの回答をレビューすることは大変多くの学びの機会となります。コンサルタントとして25年以上経験を積み叩き込まれた「当たり前の思考」と思っていたものが、学生の皆さんには新鮮であり、かつ実践するのが難しいことを学びました。それと同時に、世の中に溢れる問題解決の教科書やケース面談の演習テキストを文字で読んだだけでは、やはり問題解決の地頭や応用力は身につかないものだと確信しました。
その意味で、私が実践力習得に重点を置いた本プログラムを始動できたことは有意義だと思います。まずは4ヶ月のプログラムを参加者の皆さんが満足いく形で完遂し、学生選抜2期生以降の皆さんにも貢献していきたいですし、社会人の皆様にも同様のプログラムを提供していきたいと思っております。
トライアスリードのミッションの一つである、「日本の社会人の皆さんの問題解決能力を底上げする」ために、微力ながら貢献していきたいと思っております。
堤 裕次郎