なぜビジネスパーソンにとってカラダマネジメントが重要なのか?この問いに対する答えはおそらく極めてシンプルであり、私が真新しい洞察を加えるのも難しいと思います。ただし頭では分かっていても実際に行動に移せず、食事、運動、睡眠の最適化を実現できていない人が多いのも事実だと思います。私は大学卒業までは体育会野球部で過酷な練習を続けてきましたが、社会人になって20年近くは運動量も激減し、激務で睡眠が削られ、ストレスで食事の過剰摂取が続き、カラダのコンディションとしては理想からかけ離れ、仕事においては思考力、集中力、判断力、対人能力など、あらゆる面でベストな状態を維持することができず、生産性を落とす大きな原因になっていたと思います。
今年1月に独立してからは、過度なストレスや長時間労働から解放され、自分の時間をコントロールしやすくなりました。ウェアラブルを使って身体の状況をトラッキングしていますが、明らかにストレスレベルが低下し、安静時心拍が低下し、睡眠の時間と質が改善しています。またこれまでも継続していたトライアスロンにより時間を使うことができるようになり、先日は目先の目標であったアイアンマンレース(スイム3.8km, バイク180km、ラン42.2km)の完走を果たすことが出来ました。運動による身体へのストレスを継続的にかけていますが、結果として、よく食べて、よく寝れるようになりました。もちろんそれだけ時間に余裕ができた(自分で自分のスケジュールを調整している)から成し得たこと、と言ってしまえばそれまでですが、改めて思うのは、ストレスと長時間労働に苦労していた過去の自分には、これができなかったのか、ということです。
突き詰めて考えると、効率化と無駄の排除の二つなんだと思います。ある仕事でアウトプットを出す必要がある際に、そもそもそのアウトプットが必要なのか突き詰めること(上司からの指示ならプッシュバックも辞さない)、アウトプットを出すために必要な過程をどれだけ簡素化できるかということ、また1日の中で非生産的な時間をどれだけ排除できるか(仕事と仕事の間の隙間時間、漠然とスマホやTVに気を取られている時間など)ということかなと思います。
私はこの反省を踏まえて隙間時間の有効利用をできるだけ行うようにしています。例を挙げれば最近は仕事と趣味の境界線にある生理学や運動科学の学習をe-Learningで行っていますし、私が別でCEOを務めるグローバル事業の推進のために、英語力の強化を行うためにAIアプリで英会話の勉強をしたりしています。もちろんトライアスロンのトレーニング、睡眠時間も全て計画的に時間管理し、それらを含めて全ての活動をカレンダーで可視化しています。その中で、逆に非生産的な時間を許容するタイミングをむしろ作ったりしてます。
言うのは易し行うは難し。ただ忙しいことを言い訳にせず、自分のカラダマネジメントと自己成長の実現のために、これからも意識していきたいと思います。
コンサルタント 堤裕次郎