Blog Posts

企業変革の実現に向けた課題

2024年01月15日

企業変革、企業文化改革、DX(Digital Transformation)、最近ではSX(Sustainability Transformation)など、「変革」、「改革」、「トランフォメーション」という言葉をよく耳にします。こうした言葉は、非連続的(disruptive, not incremental) な変化を必要とする目標を設定し、その目標を実現するために組織運営の仕組み、組織ケイパビリティ、従業員の行動様式やマインドセットを抜本的に変えていく取り組みを指します。コンサルタントとしてこうしたトランスフォメーションのご支援は幾度となく経験させて頂きましたが、様々なプロジェクトのテーマの中でも、極めて難易度の高いテーマの一つと言えます。その理由は、変化をもたらすための問題解決が多岐にわたること、巻き込むステークホルダーが部門・地域横断で多岐にわたること、長期的な取り組みでありトップマネジメントを中心としたコミットメント、プロジェクト推進にあたっての粘り強さ(tenacity)と敏捷性(agility)が求められること、などが挙げられます。

トランスフォメーションの推進に当たっては多くの場合、シニアマネジメントのスポンサー下にプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)を設置し、プロジェクト推進を行いますが、以下のような理由により期待通りに機能せず、結果的に期待される成果を創出できないケースが散見されます。

課題1:チェンジマネジメントプログラムの重要な、以下の3つの要素が包括的にアクションに組み込まれていない

・トップマネジメントからマネジャー、現場スタッフまでの階層的なコミュニケーション
・ギャップ充足のために求められる組織および個人のケイパビリティ構築
・公式、非公式な行動変容の仕組み作り

課題2:プロジェクトマネジメントのガバナンスが最適化されていない

・リーダーシップのエンドースメント不足
・組織横断の取り組みで責任の所在が不明確
・社内ポリティクスによって前に進まない

課題3:プロジェクトマネジメントのケイパビリティ不足

・プロジェクトマネジメントチームに十分なリソースが充てられない
・プロジェクトマネジメントオフィスの問題解決能力不足
・コンサルタントに過度な依存

課題4:中長期的な視野での継続的かつシステマチックな変革マネジメントの欠如

・短期的な視点でプログラムが設計され、息切れしてしまう
・変革の進捗がKPIによって可視化されない

 

このようにプロジェクトマネジメントに関わる課題は「複雑骨折」状態で、一筋縄に解決することは難しいです。過去20年以上に渡りコンサルタントとしてお客様の社内での取り組みにおけるこのような苦労や失敗を客観的に観察してきた経験、そしてプロジェクトのご支援をさせて頂きこれらの問題解決に貢献させて頂いた経験を踏まえ、トライアスリードは企業変革プロジェクトマネジメントの成功に向けて経営者、PMOの皆様に並走する形でお役に立ちたいと思っております。

上述の課題の具体例や解決に向けたインサイトについては、今後ブログの中でご紹介していきたいと思います。

 

堤裕次郎

関連記事

カラダマネジメント

カラダマネジメント

なぜビジネスパーソンにとってカラダマネジメントが重要なのか?この問いに対する答えはおそらく極めてシンプルであり、私が真新しい洞察を加えるのも難しいと思います。ただし頭では分かっていても実際に行動に移せず、食事、運動、睡眠の最適化を実現できていない人が多いのも事実だと思います。私は大学卒業までは体育会野球部で過酷な練習を続けてきましたが、社会人になって20年近くは運動量も激減し、激務で睡眠が削られ、ストレスで食事の過剰摂取が続き、カラダのコンディションとしては理想からかけ離れ、仕事においては思考力、集中力、判断力、対人能力など、あらゆる...

続きを読む
企業向け実践問題解決スキル習得プログラム

企業向け実践問題解決スキル習得プログラム

トライスリードのミッションは「企業変革を牽引する組織力の構築にフォーカスし、お客様のニーズに応じた柔軟かつ投資対効果の高いご支援を提供させていただくこと」です。 このミッションの実現のために、企業向けの実践的な問題解決スキル習得プログラムを提供させて頂いております。プログラムの全体構成は、基礎編および実践編を含む2部構成で、具体的には以下のとおりです。 基礎編:基礎的なスキルを学習する講義中心のセッション(8回、各回120分)...

続きを読む
問題解決の基礎

問題解決の基礎

コンサルティングファームへの就職を希望する、選抜された9名の大学3年生向けに問題解決スキル習得プログラムを開始して、1ヶ月が経とうとしています。本プログラムはあくまでコンサルタントとしての実践的なスキルを習得することを目的としているため、コンサルティングファームで行われる講習の内容をしっかりと学習することに加え、4ヶ月のプログラムの後半の2ヶ月は、実際に私がCEOを務める事業会社に対する戦略提言を行うプロジェクトを立ち上げる予定です。そのため、プログラム開始当初から、コンサルティングファームへの就職面接で行われるケース面談の練習のよう...

続きを読む
Share This